テト攻勢のテトって一体なに?ベトナムの歴史と旧正月

テト正月のお祭りで走り回るモン族の少女たち

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ベトナム旅行に行こうという人ならば、どこかで「テト」という言葉を耳にしたことがある人もいるかもしれません。

観光情報を調べれば、テト時期には旅行は避けようと書いてあるでしょうし、ドキュメンタリーなどを見れば、「テト攻勢」のような形で歴史の中でも登場します。

どうもそれぞれに関連のなさそうな分野ででてくることの多い、「テト」という言葉。一体どんな意味を持っているのでしょうか。今回はそんなテトについてお話です。

テトの時期に伝統衣装をきている子供達

テトとは

さてテトとは一体なんなのでしょうか。まずベトナム語のテト(Tết)とは「皆が集まる」というと言う意味。ベトナムでは1月末にテト休暇と呼ばれる休暇があり、この時期には多くの人が実家に帰りますが、これは家族を大事にするベトナムの人たちにとって、「家族皆が集まる」テトの時期が大事なものだからなんです。

中国などアジアの国では日本が今使っている新暦とは違う、旧暦における正月の方を大事にする国があります。ベトナムもそんな国の一つで、新暦での正月である1月1日をお祝いすることはありませんが、代わりに旧暦でのお正月を盛大に祝います。

旧暦である太陰暦は、日本や西洋諸国が使っている暦とおよそ1ヶ月ずれていますから、旧暦でのお正月は一月半ば。つまりテトとは正月に家族みんなで再開して、新年を祝う日なわけですね。

テトの祝い方

さてそんな大事な日である正月、彼らは家を飾り付け、大量のご馳走を作って新年に備えます。

普段は早寝早起きなベトナム人も、お正月だけは例外。大晦日になると早い時間から、乾杯の音頭があちこちから聞こえるようになり、日が変わるまで、ともすれば翌朝になるまで、飲み続けるんです。

お正月に向けて用意された大量のご馳走

お正月に向けて用意された大量のご馳走。彼らは日が変わるまで飲み続ける

国が変わっても正月を祝う気持ちは変わりません。久々にあった友人たちの再会を祝い、そして新しい年を迎えられたことをご馳走とお酒で祝うのです。

テト正月とお年玉文化

テトが日本のお正月と似ているのは、なにもたらふくご飯を食べることや、酔っ払いのおじさんたちだけではありません。

実は日本と同じく、ベトナムのテト新年にも三ヶ日という概念があります。1月終わりから2月の始まりにかけてのテト新年から三日間は、多くの店が閉まり、様々なイベントが催され、人々はひたすらに新年の訪れを祝うのです。

テト正月三ヶ日に催される多くのイベント

テト正月三ヶ日には各地でいろいろなイベントが催されている

この期間、家でのお祝いがひと段落すると人々は知り合いや親戚の家を訪ね歩きます。

大人たちにとっては各家々にある、お酒やごちそうが楽しみなわけですが、子供達には大人たちとは違う楽しみがあります。それがお年玉です。

ベトナム北部ハザン省で各家を回る少数民族の子供たち

ベトナム北部ハザン省で、お年玉を求めて知り合いの家をめぐる子供たち

面白いことにベトナムにも日本と同じように、子供達にお年玉をあげる習慣があり、子供達はたくさんのお年玉を得るため連れ立って、各家を回ります。

テト休戦とテト攻勢

このようにベトナムの人々にとって、重要な意味を持つテトシーズン。ベトナム戦争の間は、南ベトナムと北ベトナムとの間で自然と、この期間には戦闘を行わないという暗黙の了解ができていたのでした。

これを破った形となったのが、北ベトナム側が行ったテト攻勢です。この攻撃はアメリカのベトナム撤退につながっていく大きなターニングポイントになったわけなのですが、休戦期間という暗黙の了解があったために、奇襲攻撃が成功したという部分もあるわけなのです。

飲酒でハメを外す人も

このようにベトナムの人にとって一大イベントであるテトではありますが、それゆえに何かとトラブルが発生する時期でもあります。

ベトナムの人は日本人よりも体質的にお酒に強いと言われているためか、とにかくお酒は量を飲みます。との結果暴力事件に発展したり、急性アルコール中毒で倒れたりと言ったケースが多発していて、毎年100人前後の死者も発生しています。

テトの期間中、僕はベトナム最北部のハザンという地域に滞在していたのですが、彼らはアルコール度数25%程度のかなり濃いアルコールを朝から晩まで飲みつつけ、しかもその状態で平気で運転していました。

ベトナムには飲酒に年齢制限がないため、これは若い世代の間で特に深刻で、酩酊状態の若者たちが複数人でバイクに乗ってハイウェイを走るなんてことが起こりえます。

酩酊状態で複数人でバイクに乗る若者

複数人でバイクに乗る、通称全滅乗りをする若者たち

学校で行なわれている学生たちの宴会に、お酒のボトルを持った教師が高校生に注いで回る。その高校生たちが複数人でバイクに乗って走り周り事故をして亡くなる。こうしたことが起こり得るのもテトというシーズンのベトナムであることも事実なのです。

テトの時期に観光に行くべきではないは本当か

さてそんなテトですが、ベトナム旅行に行くべき時期を話す時、「がテトの前後は避けた方がいい」という声が上がることがあります。

自分はテトの1ヶ月ほど前にベトナムを訪れ、ベトナムでテトの時期を過ごした経験からいえば、確かにこれは間違いではないと思っています。

店が閉まってしまう

一つにはレストランや雑貨店など、店の多くがしまってしまうことが挙げられます。

テトの期間直後に出会ったポルトガルからの旅行者は、テトの期間中に田舎街に到着したためにまともな食事にありつくことができなかったと言います。

テトの期間であっても、特に観光地にあるホテルや一部のレストランなど営業しているところがないわけではありません。しかし雑貨屋など多くの店がしまっている他、ツアーなども通常通り催行されていない場合も多いので、できることはかなり制限されてしまうのも事実でしょう。

テト休暇の帰省ラッシュ

もう一つテトシーズンに旅行するのを避けたほうがいい理由としては、テト休暇に発生する大渋滞があります。

テトは家族が集まるためのものですから、この時期になると、皆が皆帰省のために移動を開始します。そのため特にハノイやホーチミンなどの大都市周辺の道路やは大混雑状態になります。

しかも多くの人が利用することに合わせ、都市間バスなどの交通機関も便乗で値上げを行うため、普段の数倍混雑する車内に無理やり押し込められた上に高い料金を請求されるということが普通に起こりえます。

こうした状況から考えれば、テト時期にベトナム旅行をするのはあまりおすすめはできません。

テトのシーズンは太陽歴との暦の違いから、毎年若干前後しますが1月の後半から2月の頭にかけて(2017年で1月28日)の時期になりますので、ベトナム旅行に行くのであればこの時期は避けた方が無難です。

まとめ

ところ変われば風習も変わる。

日本では旧正月を祝うことはありませんが、ベトナムのように旧正月を祝う国は少なくありません。

こうした国の人々と友達になると。あけおめメッセージが送られてくるのも、1月1日ではなく、1月の終わりになるのです。

観光をしたいという人にとって、テトに当たってしまうと体験できることが普段の半分になるというのも十分にありえる話。旅行に行く時は、その国の文化にも注意をはらいたいところです。

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