ベトナムでは日本語が第二言語化ってなんでなの?ベトナム旅行で言葉は通じるのか

ベトナムでは日本語が第二言語になっている学校もあるのをご存知でしょうか?

近年、メディアに取り上げられる機会も増え、物価の安さや美味しい料理などから旅行先としてもますます注目が高まっているベトナム旅行ではありますが、実はそんなベトナムで日本語教育熱が年々高まっています。

実はベトナムではいくつかの省で、中学校から学ぶ第二言語として英語や中国語に変わり、日本語を教える学校が出始めるています。2016年の9月からは3年生以上を対象にハノイの小学校でも日本語を教え始めているというから驚きです。

ではなぜ今、ベトナムで日本語を教えるという流れができているのでしょう。日本語が第二言語ならベトナム旅行も日本語で十分なのでしょうか。今回はそんなベトナムの日本語事情についてのお話です。

ベトナムの人に日本語で話しかけられた経験

「あのぅ、日本人の人ですか?」

ベトナム中部の町フエのカフェでコーヒーを飲んでいる時、こんな声をかけられました。声をかけてきたのは20歳くらいの若い女性。聞けば彼女は大学の日本語学科の学生さんで、日本人と話す宿題のため日本人を探していたのだとか。

他にも高校生から宿題を見てくれないか、と頼まれたり、ホステルに泊まるとパスポートを見たスタッフから「日本語を練習している一緒に練習してほしい」と言われたり…

このようにベトナムに滞在していると、ひょんなところで日本語を勉強している人に出くわすことは多いです。彼らは皆一様に熱心に日本語を勉強していて、かなりの短時間で日常生活は可能なレベルにまで日本語を上達させる人も珍しくありません。

ベトナムでの日本語教育の今

国際交流基金が2016年に発表した調査によれば、ベトナムの日本語学習者の数はおよそ6万5千人4万6千人ほどだった2012年ごろの調査から2万人近く学習者が増加

東南アジアでは教師数、学習者数共にインドネシア、タイに続く3位に位置しており、日本語教育大国であったインドネシアや中国の日本語学習者数が減少に転じている中で、38%以上学習者の数を伸ばしています。

これは中学校や、高校での一部で、英語や中国語の代わりに日本語が第2言語として選択されるようになったことが一つの大きな理由でしょう。学校だけでなく、ある程度人口の多い街に行くとベトナム人と日本人の言語交換会や、日本語センターなどの施設を見かけることも多いです。

ベトナム旅行で日本語は使えるのか

しかし意外なことにこれだけ日本語の教育熱は高まっていながらも、ベトナムを長期で旅行をしていて日本語でのサービスと出くわしたことはほとんどありません。

実際ベトナムの都会からど田舎まで滞在してみても、一応日本語が使えるのは高級ホテルや、日本語レストランなど極めて限られた場所であるのが現実でした。

ベトナム旅行で日本語使える場所

  • 大都市、観光地にある日本食レストラン
  • 大都市、観光地にある一部の土産物屋
  • 一部のホテル
  • 旅行会社で手配したガイドツアー
大都市、観光地にある日本食レストラン、一部の土産物店

日本語が喋れる人をもっとも見つけやすいのは、ハノイやホーチミンなど都市部にある日本食レストラン。

これはオーナーなど日本人が直接働いていることがある、ということもありますが、パートタイムの従業員などとして大学の日本語学科や日本語センターなどの学生が働いていることが多いためですを雇用していることが多いためです。

大学の日本語学科はハノイやホーチミン、ダナンなどの大都市のほか、フエのような一部の観光都市にもあります。こうした地域では日本食レストランに限らず日本人向けに営業している土産物店などでも日本語を学ぶ学生さんなどが働いていることもあります。

一部のホテル

一部の高級ホテルなどでは日本語を話すスタッフが配置されていることがあるほか、日本人が多い地域ではさほど高級ではないビジネスホテルのような場所でも日本人向けに日本語スタッフを置いているところもあります。

しかいベトナムを訪れる観光客の数が、中国や韓国のほか英語を話す人たちの数よりも少ないこともあってか、日本語スタッフが常駐しているところはさほど多くはありません。

旅行会社の日本語ガイド

大手の日系旅行会社や現地旅行会社の一部では、日本語ガイドを雇用している会社もあります。

日系大手旅行会社の場合、現地で駐在のような形で日本人ガイドを置いているケースのほか、現地人ガイドを直接雇用しているケースもあります。そのため日本語ガイド付きのツアーなどを日本で予約した場合は、日本人のガイドがつくケースもあるでしょう。

現地催行のオプショナルツアーでは、稀に日本語ガイドの派遣を行っています。しかし英語ガイドに比べるとその数は少ないため、値段が張るのも事実で英語ガイドの3倍から4倍程度の料金がかかることも珍しくありません。

現状では日本語が使える場所はさほど多くない

このようにベトナムの日本語熱の高まりとは反して、ベトナム旅行においては日本語利用の利用はあまり一般的とは言えません。

外国人観光客向けに整備されたホイアンのビーチ

ホイアン郊外のビーチ。こうした地区でも英語は通じる

旅行情報を伝えるサービスカウンターなどでは、英語や中国語での案内はあっての日本語はありませんし、観光地にしても日本語の解説があるところは一部に限られます。

日本でツアーを手配したり、日本語スタッフを置いた高級ホテルに長期滞在というような人を除いては、ベトナム旅を日本語だけで完結できる可能性はかなり低いのが現状です。

なぜ日本語を学ぶのか

この理由はベトナムの人たちがなぜ日本語を勉強しているか、にあります。

多くの場合、外国の人たちが日本語を学習するのは、日本の企業で働くことを目的としています。

ベトナムに進出する日系企業に就職するため日本語を学ぶ人たち

近年日本の対ベトナム投資額は増加傾向にあり、2016年の統計によれば2016年の投資額は21.6億ドルで韓国、シンガポール続き第3位。累計の投資額で見ても420億円と韓国についで世界で2番目の投資額となっています。

国際都市であるホーチミンはもちろん、首都であるハノイの郊外にもイオンや、キャノンの工場など日系企業の進出も多く、ダナンなどの中部地域ではオフショア開発などIT系の企業も多く進出しています。

日系企業も次々と東南アジアに進出している

ハノイ郊外に進出したイオン

大学生などで日本語を勉強している人の多くが、自分の専門知識と日本語を生かして、日系の企業へ就職しようと考えているのです。

実習生などとして「日本で」働くため日本語を学ぶベトナム人たち

日本語を勉強する理由で多いのが、実習生として日本に来て働くことを目的としている人たちです。

実習生制度は、最近メディアでも取り上げられその不備が指摘されているシステムでもありますが、ベトナムでは大卒者でも月収3万円や4万円といった給料が一般的であることもあり、最低時給で働いてもその倍以上を「稼げる」ために日本にくることを希望する人は増え続けています。

2020年のオリンピックに向けて、建築業界など様々な分野でベトナム人が実習生として来日することが可能な分野も増えていています。

数字を見ても2011年以降、在日ベトナム人の数は毎年数万人規模で増え続けていて、平成28年の在日ベトナム人数はおよそ20万人。これはブラジル人を凌いで、在日外国人全体の4位。

彼らは来日する資格を取るためには日本語能力検定資格に合格しなければならず、日本に来て仕事をして稼ぐために必死になって日本語を勉強するのです。

観光業はさほどメリットはない?

観光ではまだあまり日本語が使えない状況を見ると、ベトナム国内で日本語を使って観光業に従事することは、日本での仕事や日系企業での採用に比べて、それほどにメリットがない状態と見られていると言っていいのかも知れません。

ベトナムを訪れる日本人観光客の数は年々増え続けていますが、2016年の観光客数は74万人ほどで世界3位。しかしこれは1位の中国が250万人の観光客を送り込んでいること、4位のアメリカを含め英語を喋れる国の観光客数を合計するとかなりの数になることから、現時点ではまだまだ対象とできる客が少ない日本語に絞るという人は少ないようです。

今後は増える日本語ガイド?

しかし観光業は今ベトナムの成長産業です。

フエで観光業を学んでいるというベトナム人学生はこう言います。

「もう英語が喋れる人が増えすぎて英語ガイドでは稼げない。これからはマイナーな言語が大事なんだ」

ベトナムでは英語を喋れる人は全体的に見れば多くはありませんが、それでも観光地に絞るとすでに十分に英語を喋れる人は増えています。そのために英語のガイドはかなりツアー代金も給与の面でも下がって来ています。その点、日本語やスペイン語などは話せる人が少ないため、給料も高く稼げると言うのです。

日本からの観光客数は今後ますます増えていく可能性と予想されています。このまま順調の観光客が伸び続ければ、日本人対応のツアーやホテルなどの日本語対応も増えていくのかも知れません。

まとめ

日本とベトナムの経済的な結びつきが強くなってくると共に、日本語を学ぶ人の数は年々増え続けています。

しかし観光という面で見ると、日本語学習者の増加の割には、現地で日本語が通じる機会というのは思ったほどないというのが現実のようです。

しかし今後、観光客が増えるにつれ、日本語を話せる人がベトナム国内の観光関連業に増えていく可能性もあります。

今後も日本とベトナムの関係がうまく行くならば、ベトナムのレストランで日本語で注文するというようなことが可能になる日もくるのかも知れません。

ただ今の所は、簡単な英語かGoogle translateに頼ったほうがよさそうです。

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