「フエ王宮」は行く価値あり?ベトナム最初の世界遺産の見所まとめ

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ベトナムのフエ。中部のリゾート都市、ダナンから80キロに位置するこの街には、ベトナムで初めて世界遺産に指定された「フエの歴史建物群」があります。

この「フエの歴史建物群」の中心となるのが、フエ王宮。1802年にフエに首都をおいたベトナム最後の王朝「院朝」の歴代の皇帝達は、ここからベトナム全土を収めました。

さてベトナムへの旅行を考えている人にとって、気になるのはこのフエ王宮行く価値あるの?ということだと思います。フエは一番近いダナンからでも3時間程度かかりますし、日程的に制限があって行くかどうか迷っているという人もいるんじゃないでしょうか。

というわけで今回は実際にフエを訪れた経験から、フエ王宮行く価値ありか?を見ていきたいと思います。

フエ王宮は行く価値があるのか?

まず個人的な意見を言って仕舞えば、フエ王宮は十分に訪れる価値がある訪れてほしいと考えています。

フエ王宮はベトナムが中国からフランスへの支配下へ移り、そして独立運動へと進んで行った時代を通じ、ベトナムの中心であった場所です。そのため中国の流れを組む建築様式だけでなく、フランス洋館など東洋と西洋の融合したようなベトナム建築や、独立戦争、ベトナム戦争と二度に渡って戦争の舞台となった近代史を体験できる場所だからです。

フエ王宮にみる、中国の影響を受けた建築様式

領土問題や政治的な理由から、反中感情が強い現在のベトナム人ではありますが、歴史的に見えばベトナムは中国の文化と大きなつながりがあります。フエ王宮を作った院朝も、初代皇帝ザーロムが、中国「清」の後ろ盾の元、チャンパという別の国が支配していた現在の中部、南部ベトナム域に勢力を広げた結果誕生したものです。

そのため宮殿のような王宮内の建築物は、中国の建築様式。特に北京の紫禁城からは強い影響を受けているように見えます。

王宮門

フエ王宮最大の見所の一つが、王宮門「牛門」でしょう。

この牛門は院朝の第2代皇帝のミンマンが命じて作らせたとされるもの、この門を作るためミンマンは職人を北京の紫禁城に派遣して技術を学ばせたと言います。

2014年末まで補修工事をしていたと言うこの門ですが、復元が終わった現在では、これだけで一つの目玉と言えるもの。王宮門は王宮広場の中にあるため無料で見ることができますが、これだけで「フエ王宮」のハイライトの一つと言っていいくらいです。

王宮正門

宮殿「大和殿」前

門を抜けると再び広い空間が広がります。王宮の施設はおよそ1.2キロメートル四方。東京ドームで言えば30個分に匹敵します。と言っても僕のような地方出身者には東京ドームと言われてもわかりにくいので、畳換算すると大体100万畳くらいです。超広いですね。

王宮門を抜けると再び広大な空間が広がる

フエ王宮「大和殿」前

奥に見えているのが皇帝との謁見所であった大和殿

フエ王宮の本殿は中国式の建築様式

フエ王宮本殿

遠くから見るを大和殿は明らかに中国様式の建物に見えます。しかし建物に近づいて見ると、細かい木彫りや漆喰細工などはベトナム、特に中部域の職人たち独特なものであるということがわかります。屋根に施された漆喰細工は、ベトナムでは今や唯一フエ周辺にのみ職人が残っているとされるほど希少なものなのだとか。

内部には金による装飾が施された皇帝の椅子が置かれていますが、残念ながら撮影は不可。こればかりは実際に行って確かめてもらうほかありません。

中庭へ、陰陽思想の影響受けた建築計画

宮殿を抜けて中庭に。再び広大な空間が広がります。

フエ宮殿の中庭、陰陽思想の影響を受けた王宮はこの中庭を中心に各建物が対になる形になっている

フエ宮殿中庭

フエ王宮の配置計画には、宇宙のありとあらゆる出来事をに分けて考える陰陽思考が大きな影響を与えたとされています。例えば先ほどの「大和殿」は、皇帝が人々と面会する公的な施設(陽)。これに対し、皇帝が私的な時間を過ごすための施設(陰)である紫禁城(中国のものとは別)がは中央広場の反対側に対になるように建設されたのだとか。

中央広場の龍

今では中央広場を挟んで反対にある地点には、ベトナム王家の施設ではよく見られる龍の像が置かれています。

ここにあったもともとの建物は、フランスとの独立戦争、ベトナム戦争時のテト攻勢で消失してしまったわけですが、龍の視線の先には宮殿、そして現在のベトナムの象徴である国旗が直線上に並んでいるのがわかります。

龍の視線の先にはベトナムの国旗

広場両側にある長廊下

中庭両側の長廊下

また広場両側には、カラフルな屋根付きの廊下が続いており

これが王宮内の各施設につながる形になっています。

休日の日などにはアオザイをきて歩く女性を見かけることもある。

アオザイを来て歩く女性

フランスの植民地としてのグエン朝

王宮の主である院(グエン)朝は中国を宗主国に持つ国として1804年にスタートしたわけですが、19世紀も後半になるとフランスの植民地となります。

そのため王宮も初期の建物は中国清朝の影響が大きいのですが、1800年代後半から1900年代はじめにかけての建物は、逆にフランス色が強くなってくるのが見て取れます。

フランスの影響を受けた建物で特に特徴的なのは、最後の皇帝バオ=ダイが作らせたフランス式の御所でしょう。

最後の皇帝バオ=ダイが作らせたフランス式の建築物

バオ=ダイ皇帝のフランス風御所

洋風の庭とともに作られた洋館で、現代でも多くのベトナム人が建てるフランス式の建築物の基本となったものなのでしょう。

結婚式の写真をとるベトナム人カップル。様式の庭の背景には伝統的建築物も見られる

また西洋とのスポーツ交流に興味があった皇帝は、敷地内にテニスコートも作らせました。

王宮内にあるテニスコート。復元されたものだが、オリジナルのテニスコートは19世紀後半に作られたと言う

テニスコートは補修されたものですが、このようなフランスっぽさは王宮内でも時折見かけることがあります。

フエ王宮の庭園

ベトナムの文化遺産「ニャーニャック」

かつて皇帝らが伝統舞踏などを楽しんだ劇場である「閲是堂」では文化遺産として登録されている「ニャーニャック」を見ることも出来ます。

このニャーニャック、漢字では雅楽とかくこともあり、同じく中国に源流を持つ日本の雅楽と似たところがあるとされています。実際技術指導のために日本の雅楽家がベトナムを訪れたこともあるらしく、日本とベトナムのつながりを感じさせてくれます。

ニャーニャックを見るには王宮の入場料とは別に20万ドンほど支払う必要があり、1日二度ほど上演されています。

破壊のあとが残る王宮内部

しかしここまで見てきて気になる人もいるだろうと思うのが、フエの王宮に残る破壊の跡です。

残念なことに今のフエ王宮には、もともとの建物で現存しているものは、さほど多くありません。多くの建物が近年になって修復されたもので、現在でも修復作業は継続して行われています。

再建中の建物

激戦地となったフエ

これはフエ王宮がフランス相手の独立戦争、ベトナム戦争という二つの戦争において激戦地となったからです。

特にベトナム戦争において南ベトナム解放軍が実施したテト攻勢では、フエはサイゴン(現在のホーチミン)に注ぐ最重要目的地として定められ、中でも王宮周辺は南ベトナム解放軍側が占拠したために激しい攻防戦の舞台となりました。

南ベトナムの市民がいるため、アメリカは空からの攻撃をしないだろうと見越していた北ベトナムと南ベトナム解放戦線でしたが、アメリカは空爆による攻撃を実施、これにより市民の被害が出たとともに、多くの歴史的建造物も破壊されることとなりました。

修復は行われた時期で出来が異なるのか、中庭の西側にある王妃の母もしくは国王の祖母のために作られている御所「延壽宮」の門は損傷が目立ちますが

延壽宮の正門

同じ敷地内にある洋風の療養所や

皇帝の母親にために作られた病院施設の外観

皇帝の母親にために作られた病院

夕涼みなどに使われたという建物などはかなり綺麗に修復されていたりします。

池の上に建てられた建造物

建物によって修復の跡が目立つものがあるので、気になる人もいるかもしれません。

夜のフエ王宮

試験的に行われている夜の王宮

もし修復の跡が気になりそう、という人であれば細かい修復の跡などに気になりにくい夜のフエ王宮を訪れて見るのも一つの手かもしれません。

フエ王宮では毎日、夜の7時から夜の王宮とて各施設のライトアップと、音楽の伝統楽器の演奏などが行われています。

夜のフエ王宮前では歩哨の交代セレモニーが行われている

フエ城門前で行われる歩墻交代のセレモニー。これは無料で見れる

牛門前での歩哨交代のセレモニーのほか、伝統歌謡などのイベントもあり。見る価値は十分にアリです。

伝統歌謡を歌うベトナムの女性たち

歩哨らのファイヤーダンスは宮殿中庭で行われている

グエン朝歩哨たちのファイヤーダンス

フエ王宮の立地・どうやって行けばいいか

フエの王宮は観光地向けの施設やホテルなどが集中しているエリアから、フォーン側を挟んですぐ対岸のエリアにあります。

そのためフエに宿泊する予定の人であればホテルのある新市街から、バイクタクシー、もしくは自転車式の人力車シクロ、自力なら自転車や徒歩でも行くことができます。

フォーン側にかかる西側の橋

フォーン川にかかる橋

タクシーなら7万ドン程度、バイタクなら2~3万ドン程度で入り口まではいけるでしょう。

ダナンからフエに行きたい場合

ダナンからフエに訪れたいという人の場合、個人的には鉄道を利用して現地を訪れる方法がおすすめ。

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2017.06.05

他にもダナンのホテルで高速バスを手配してもらう方法や、リムジンバスなどを利用する方法もあります。

ツアー参加は

ダナン発のツアーの場合、片道2〜3時間かかるため、現地の滞在時間は4時間程度になってしまいます。この時間だと王宮、カイディン、ミンマン帝廟などを駆け足で見て回るだけの忙しないツアーになってしまうので、個人的にはフエに宿泊し、現地催行のツアーに参加することをおすすめします。

フエ発のツアーの場合、日本語ガイドのツアーで8000円程度、英語ガイドのものであれば入場料等別で25万ドン(1200円)程度から見つけることができます。

フエ王宮入場料

フエ王宮の入場券

無料で見ることのできる王宮広場や門を除き、フエ王宮の入場料は、15万ドン程度からとなっています。

王宮遺物博物館

王宮博物館の入場料も含まれています。またカイディン帝廟やミンマン帝廟へ行く人であれば、入場料とセットになったコンボチケットなどもあります(28万ドン)。

ニャーニャックは別料金で15万ドン。夜の王宮も15万ドンで、コンボチケットでは入場できないので注意が必要です。

フエ王宮を訪れる価値はあるか?

ではフエ王宮を訪れる価値はあるのでしょうか?

個人的な意見を行ってしまえば、フエ王宮を訪れる価値は十分にあると考えています。

ただフエの王宮は中国を宗主国に持つ王朝として始まったグエン朝のもので王宮も北京の紫禁城を習って作ったものです。そのため北京を訪れたことのある人の中にはフエ王宮を「紫禁城のミニチュア」と表現する人もいます。加えてベトナム戦争で多数が破壊され、近年修復されたものであるということから修復のクオリティに疑問を抱く声もあることも事実です。

しかし修復のクオリティも年々増していますし、夜の王宮など訪れた人を楽しませるイベントも次々と企画されています。激動のベトナム史を感じることができるフエは、6ヶ月のベトナム旅の中でもかなり気に入った場所。ベトナムの世界遺産の中でもニンビンのチャンアンと並んで満足度は高い目的地でした。

 

 

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