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「日本死ね」はなんでヘイトスピーチにならないの?

日本死ね

そんな言葉が流行語大賞のトップテン入りしたなんて話を耳にしました。

年を経るごとにどんどん流行っている言葉を紹介するというより、流行らせたい言葉を紹介しているとしか思えなくなってきた流行語大賞だけども、今年のはとくにひどい。なんて言ったって「日本」という国と「死ね」をくっつけた言葉なのだ。

それが流行語大賞のノミネートに入る。それだけでも違和感があるのに、あまつさえトップテン入りだ。はっきり言って気持ち悪い。

「◯◯死ね」。もし◯の中に入る言葉が他の国だったとしたら大騒ぎだ。野党、マスコミスクラム組んでの連日に渡る「ヘイト」報道に発展して、駐日大使に謝罪するような事態に発展するのが目に見える。

「死ね」というのはそれだけ強い言葉だ。罵倒や侮辱を通り越して、相手に対する明確な攻撃だよね。言葉の暴力と言っていい。相手を傷つけるからと、使わないように指導している親御さんも多いと思う。

それを流行語大賞入りだ。しかもこの言葉が幼稚園待機児童問題に端を発したもので、資格学習で有名なユーキャンが賞を出し、野党一位の政党の国会議員がこれを笑顔で受け取る。ここまで来るともう出来の悪いブラックジョークに見えてきます。

なぜ「死ね」はヘイトじゃないの?

そんな攻撃的な言葉。正直「日本死ね」なんて明確なヘイトに思える。若者が集まるホステルで誰かがこんな発言をしようものなら、発言者は間違いなく袋叩きの目にあうだろうと思う。確か日本ではヘイトスピーチ法案というのが成立したと聞いていたし、山尾議員と言えば、この法案に賛成した議員の一人だったはずだ。

しかしニコニコ授賞式に参加して、「問題を政治問題のど真ん中に移動できた」なんて得意げな姿を見ていると、「日本死ね」という悪意の塊であるこの言葉が、ヘイトスピーチと糾弾されているようには見えない。

これは一体全体どういうことなんだろう。

 ヘイトスピーチ法上ではヘイトに当たらない

そう不思議に思って調べてみると、どうやら「日本死ね」というのは日本のヘイトスピーチ法上、ヘイトにはあたらないらしい。

なぜかと言えば、ヘイトスピーチ被害者になり得るのは「本邦外出身者」つまり「外国人」だけだから、だ。

2016年5月24日付の産経新聞*1を見てみると

適法に日本に住む日本以外の出身者や子孫に対する「不当な差別的言動は許されない」と明記

とある。

要するに日本では日本人、日本に対してならば何言ったってヘイトスピーチにはあたらない、ということだよね。

ヘイトスピーチの定義とは

じゃあそもそもヘイトスピーチの定義って何なんだ。

と、日本に先んじて、ヘイトスピーチ対策の法律を制定していたイギリスの法案をWikipediaで見てみるとこうある。

Expressions of hatred toward someone on account of that person’s colour, race, nationality (including citizenship), ethnic or national origin, religion, or sexual orientation is forbidden

要するに「肌の色や、人種、国籍、民族や出身地、宗教や性的嗜好に基づいて

他人を攻撃すること」ですね。またヘイトスピーチそのものの項目を見てみても。

Hate speech is speech that attacks a person or group on the basis of attributes such as gender, ethnic origin, religion, race, disability, or sexual orientation

ヘイトスピーチとは性別や、民族、宗教、障害や性的趣向などに基づいて、人やグループを攻撃すること」とある。

本来そこにはマジョリティもマイノリティも関係ない。

本来の意味に則れば、日本人、日本を攻撃してるからヘイトだよね。

何?ヘイトスピーチの定義までガラパゴス化しちゃったの?なんのために?

日本死ね」はヘイトじゃない?

しかし日本のヘイトスピーチ法は設立の段階で、「日本人への差別」となりかねない要素を盛り込んでしまった。

んなアホな。日本人だけ差別対象から外すなんてあまりにいびつじゃないか。

「差別やめろくそ日本人!」は差別語じゃないし日本死ねも差別じゃない。少なくとも法律上は。

 「日本死ね」はヘイトでしょ

日本のガラパゴスヘイトスピーチ法でヘイトであろうがなかろうが、この言葉には日本に対する相当なヘイトを感じる。

仮に最初にはてな匿名ダイヤリーに投稿した人が、子供が保育園に落ちたことに腹を立てて投稿したというだけだったとしても、流行にしようという動きまで含めれば、どう考えてもヘイト的。

だって「死ね」って「死ね」って意味だからね。そこに「日本」を良くしていこうという気持ちは感じられない。日本という国への純粋な敵意でしょ。

日本を殺した後で別の国にしたいってこと?それって相当なヘイトだと思うなぁ〜。

「死ね」は流行らない

国になんとかして欲しい気持ちはわかる。政治家をなんとかしろって言うのも結構だ。

でもそれを批判する時に「日本」を「死ね」って国を使っちゃうのは違う。

政策はどうあれ、トランプが当選したのも、「今のアメリカのやり方」は間違っていて、それを変えるんだって主張が国民の心をつかんだからでしょう。もし「アメリカ死ね」なんて言ってたら大統領になってなんかいない。だって死んじゃったら未来なんてないからね。今は間違ってるって思ってても、大多数アメリカ国民が住みたいのはアメリカなんだから。

それは日本死ね がなんで支持を受けられないのと同じ理由。それはこの言葉が「良くなった日本」というイメージまで含めて「日本」を攻撃するから。そこに日本への悪意は感じても、良くしていこうという意識を感じられない。

日本は完璧じゃない。改善されない職場環境や不透明な税金の使い道、「なんとかしてくれ!」って人も多いでしょう。でもね多くの人が住みたいのは改善されて住みやすくなった「良い日本」なのだ。「日本を殺して成り代わった別の国」じゃない。

だから多くの人には受け入れられないし流行らない。流行らせいのがどこの誰かは知らないけど、戦略的に間違えてるんじゃないのかな。