舗装路を闊歩する牛、そこら中に吐き散らされるタン。舞い上がるホコリ…。
自分が実際に訪れて目にしたネパールは、衛生状態はお世辞にもいいほうとは言えないものでした。首都のカトマンズですら上下水道の整備は進んでないというほどです。
そうなると心配なってくるのが、現地で体調を崩したらどうなるんだろう?ってことじゃないでしょうか?
言葉もあまり通じない外国。体調が悪くて病院に行ったのに、病院の衛生状態が悪くてさらに病気が進んでしまったら泣くに泣けないですもんね。
自分はエベレストトレッキングから首都のカトマンズに帰ってきた直後、ひどい咳と痰が絡むひどい喉風邪に悩まされました。その際に実際に現地ネパールの病院を受診してきたので、今回はそれをレポートします。
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実際訪れたカトマンズの病院:CIWEC CLINIC Travel medicine Center
今回実際に自分が訪れたCIWEC Clinicは観光で泊まっている人も多いタメルの北側。Lainchaur地区にあります。

イギリス大使館のすぐ側に位置しているこちらの病院。Travelと名前についてるところからもわかるように、もともとが登山家など海外から訪れる人をターゲットにしている外国人向けの病院のようです。
日本大使館がさらに北に1キロほど進んだところにあるので、イメージ的にはタメルと大使館の中間くらい。タメルに泊まっている人なら十分に歩いていける距離ですね。
カトマンズの病院の清潔さはどう?
さてこちらのCIWEC Clinic、建物自体には少し古さを感じるところはあるものの。館内の清掃は行き届いていて、非常に清潔な印象。

イギリス大使館のはす向かいというロケーションもあって、やはり完全に外国人向けに営業されているのでしょうね。無料のコーヒーや紅茶のサービスなんかもありました。
ネパールで不安がつきまとうトイレも、きちんと清掃されている上に消毒もされている様子もありました。

診察室も普通に清潔です。
まぁ、なんとなく雰囲気的には診察室というよりは学校の保健室のような洗練されてない雰囲気はあったんですが、普通に清潔です。
ネパールだと見ただけで不安になることも多いトイレも、こちらは清潔でしっかり各所も消毒がなされていました。
診療設備などはそれほど整っていないのでは、と思うところはありますが、基本的な病気などに関しては問題なさそうですね。
診察は日本語で受けられる?
海外で病院に行くとなれば言葉も心配ですよね。
こちらの病院の場合、医師は英語しか話せませんが、日本語が話せる通訳の人が2名勤務しているので、希望すれば日本語で診察を受けられるようです。

診察前に記入する海外旅行保険委任状にも「本日は医療通訳を必要としますか?」という項目がありました。こちらをYESにすれば通訳の方に間に入ってもらって診察を受けることもできるはずですね。
自分と同じように海外旅行保険のキャッシュレス診療で診察を受ける場合、日本語で通じる病院を探して欲しいと伝えばちゃんと探してくれるということになるので安心ですね。
治療は妥当だった?
自分は医療関係者ではないので、専門的な判断はできないですが、診察後4日ほどで症状はほぼ完治しました。
自分の症状は高山特有の乾いた環境での咳で体力が落ち、寒さにより、症状がでた喉風邪と診断され、抗生物質等の薬を受け取りました。
これも適当に喉だけ見て診断というような簡単なものではなく、長い問診で自分のトレッキング計画などを見直し、滞在期間などから高山病など他の可能性を排除できてからの診断でした。
また血液検査なども、「できるが、不要」と判断で、保険が適用されていると不要な検査もする病院も多いという中、誠実な対応だなと感じる部分でした。
高所でトレッキングの盛んなネパールらしく、あちこちの病院に高山病の専門家がいるというのも面白いですよね。
料金はどのくらいかかったの?
自分の場合、クレジットカードのキャッシュレス診療を利用して病院に行ったので、支払いは行っていません。無料でした。
ただ外務省によると
公的・私立医療機関を問わず,外国人に対してはネパール人よりも高い額が設定されています。
外務省 ネパール医療情報より
とあります。
今回の場合、この病院は初診料が$50とそれだけで5千円以上と設定されている病院です。外国人向けの病院看護師による検査、医師による診察、薬の処方を受けたことを考えると、普通に診察を受けていれば1万円くらいはかかっていたんじゃないかと思います。
外務省の情報では1日の入院で800ドル(8万円以上)を請求されたケースもあるとか。
ネパールでもちゃんと海外旅行保険は使えます。出国から3ヶ月間は保険の適用になるので、使えるようにしておいたほうがいいですね。
カトマンズにある病院リスト
今回自分が利用したCIWEC Clinicは、日本語対応可能で、清潔で正確。しかもタメルからも歩いてそう遠くないため、ほとんどの旅行者の人はここで事足りてしまうとは思います。
CIWEC Clinic Travel Medicine Center
住所:G.P.O. Box 12895, Kapurdhara Marg, Kathmandu 44600 (タメルの北。イギリス大使館の目の前)

特徴:日本語通訳が在籍。初診料50ドル+治療費。内科、歯科小児科あり。海外旅行保険利用可能。
ただ様々な事情で、この病院に行けないということもあるかもしれません。今回は自分が実際に病院に行く前にリストアップした病院をいくつか紹介しておきます。
T.U. Teaching Hospital
住所:Maharajgunj Rd, Kathmandu 44600 (日本大使館から北に1キロ)
特徴:日本の支援で建設された病院。日本語が話せる医師が在籍。小児科なし
Grande International Hospital
住所:Tokha Rd, Kathmandu 44600 (タメルからは遠く、タクシーが必要)
特徴:2013年にできた比較的新しい病院。設備が新しい。日本語を話すスタッフが勤務していて、勤務時間なら日本語対応可能。日本語が話せる歯科医も勤務。
Nepal International Clinic
住所:Lal Durbar Marg, Kathmandu 44600
特徴:英語対応のみ。タメルから近い。
KATHMANDU MODEL HOSPITAL
住所:Adwait Marg, Kathmandu 44600
特徴:24時間、無休。英語対応のみ。
まとめ
自分が実際に使ってみたカトマンズの病院は、予想以上に清潔で日本語対応も可能というかなり安心して利用できる施設でした。
ただこうした清潔で外国語の通じる外国人向けの医療施設は、値段が高くなるのが普通。自分が行った病院でも、普通にかかればただの風邪の治療で1万円近くはかかってしまったのではないかと思います。
海外で病院に行くのはお金がかかります。海外旅行保険は使えるようにしておいたほうがいいですね。