シェムリアップについたその日に2万円を盗まれました。
アンコールワットは今や東南アジアの中だけでなく、世界規模で見ても満足度の高い観光地。その玄関口ともあってカンボジア中部の町、シェムリアップには多くの日本人が訪れます。
そんなシェムリアップで僕は2万円を盗まれました。それもホテルの部屋の中という本来安心できるはずの場所。
それも寝ている間に中に侵入されて盗まれたんです。
別に僕は必要以上に驚かそうとしているわけじゃないんです。
銃などを使った強盗も多い首都プノンペンなどとは違い、シェムリアップでは強盗などの凶悪犯罪のよりは、物を盗まれるといった軽犯罪が中心。
極端に無茶をしなければ、危ない目にあう可能性は低いと思っています。
しかしカンボジアに行って「なんともなかったよ〜!」と聞くほうが少ないくらい、トラブルは身近に起こる可能性はある国なんです。
でもアンコールワットは超いいです。歴史や廃墟、そしてそれが自然に飲み込まれた様子なんかが好きなタイプの人はゾクゾクするくらい惹かれるはず。これはもう逃して欲しくない。なら自衛するしかないんですよね
自分が被害にあった犯罪を振り返ってみると、自分に多くの隙があり、そこにつけ込まれたんだということがわかってきました。
これは逆にいえばつけこむ隙さえ見せなければ犯罪に巻き込まれなくてすむ、ってことでもあるんですよね。
というわけで今回はいろんな事例からカンボジア、シェムリアップの治安。そして安全にすごすためにとうしたらいいかを考えていきたいと思います。
なぜシェムリアップ初日に2万円を盗まれたのか
事件はようやくシェムリアップにその深夜。なんとか空室を見つけることのできたホステルで眠りについたわずか数時間後に起きた。
自分の目を冷ましたのが、頬を掠めたかすかな風のせいなのか、気配のせいかはよくわからない。体を起こすと、ベランダのある側のカーテンが風に揺れているのが目に入った。
「あれ、おかしいな…」
窓は寝る前にしっかり閉めたはずだ。不安に思い、身の回りのものに手を伸ばすと、ない…。
ドクン
途端に血の気が引いていくのを感じた。寝る前に枕元に負いていたはずのズボンがない。そしてその中にいれていた財布も。
ベランダに出ると、そこには自分の財布とその中身が散乱していた。クレジットカードは…ある。免許証は…ある。現金は…?ない。
財布に入ったいるのは、ホテルに入る前に近くのATMで下ろした現金200ドル。
そう僕はシェムリアップについたその日に、お金を盗まれてしまったんです。

なぜ自分は窃盗のターゲットになってしまったのか
じゃあ今回のケースの場合、一体僕の何が行けなかったのでしょうか。自分の行動の何が隙だらけで、何が
[voice icon=”https://www.tabigurashi.com/wp-content/uploads/2017/08/fisherman-1721442_1280.jpg” name=”カンボジアの泥棒” type=”l”]しめしめ、あいつからならラクショーで盗めるぞ[/voice]
と思わせてしまったのでしょう。
自分の行動の問題点
事件に状況を振り返ると、問題はいくつかあります。
まず一つは、夜遅くになってからシェムリアップにつくという日程を立ててしまっていたこと、にも関わらず宿泊先を即興で決めるという間違いを犯してしまったことです。
あとで知ったことですが、カンボジアは部屋に侵入しての盗難も少なくありません。
これは安いホテルだと警備システムが少ないということももちろんありますが、安いホテル、ホステルの場合、従業員が犯人に協力する、見逃すケースというのがあるからです。
そのためホテルにしろホステルにせよ、あまり下調べしないで宿泊するのはよくありません。しかし自分たちはそれを怠って適当な部屋に「まぁ、大丈夫だろう」と宿泊した結果。ベランダ付きの安宿という安全面では最悪の部屋に宿泊することになりました。
さらにはホステルに入る直前にATMでお金を下ろすいう究極コンボ。これはもう
[voice icon=”https://www.tabigurashi.com/wp-content/uploads/2017/04/20170113215207-2.png” name=”ゆーと” type=”r”]これから大金持って、セキュリティガバガバのホステル泊まるよ!よろしくね![/voice]
と言っているに等しかったわけなんですよね。
そしてその見込み通り、犯人は僕と友人から合計で4万円以上、楽々と盗むことに成功しました。盗まれたのも現金ということで、警察もまともには取り合ってくれません。犯人からしてみれば
[voice icon=”https://www.tabigurashi.com/wp-content/uploads/2017/08/fisherman-1721442_1280.jpg” name=”カンボジアの泥棒” type=”l”]超低リスクで月収の2倍手に入ってラッキー![/voice]
という感じだったわけですね。
トリップアドバイザーなどの旅行サイトをチェックすると、カンボジアなら1000円も差額を出せば、部屋のランクもセキュリティも一気に上がるのがわかります。
宿代をケチったあげく、下調べをする労力を惜しんだためにその数倍のお金を失ってしまったわけです。
シェムリアップで泊まるなら、あまり宿代はケチらない。口コミを参考にして宿を決めるのが安全そう。同じ価格なら、ホテルよりはホステルのほうが安心だったりします。
トリップアドバイザーでシェムリアップの安全な宿をチェックする
実際に日本人が巻き込まれた犯罪
さて今回、僕が巻き込まれた犯罪は
- 夜間に部屋に侵入され、金品を盗まれる
という物。シェムリアップではこうした日本人が被害にあう盗難事件が少なくありません。僕の滞在中だけでも
- カフェでIphoneを盗まれた
- トゥクトゥクで郊外に移動中、突然車を止められ追加料金を請求された
- 道端で声をかけられ、誘いに乗ったら金品を奪われた
といった事件に巻き込まれた人と出会っています。では彼らにはどんな隙があって、どうしたら防げていたんでしょう。
カフェでスマホなどを盗まれる
カンボジアに行った日本人で、多分今もっとも盗まれる可能性が高いのが「スマホ」です。
日本だと、友達と話している時とか思わずテーブルの上にスマホおいたりしちゃうこと、ありますよね?
これは本当にやめてください。
というのもスマホは軽くて、高く売れるので、カンボジアの泥棒たちにとっては本当に美味しい獲物。
ましてや日本人は警戒心が薄いと思われていることもあって、
[voice icon=”hhttps://www.tabigurashi.com/wp-content/uploads/2017/08/woman-981798_1280.jpg” name=”トゥクトゥクドライバー” type=”r”]お!日本人がIphone持っとるやんけ!盗んだろ![/voice]
とすぐターゲットになっちゃいます。もうボーナスステージ扱いで、隙あらば盗んでやろうとチャンスを伺われていると思っても間違いじゃありません。
手口としてはテーブルにおいて席を離れる、ようなことをすればもちろん盗まれますし、自分が席に座っていても、一人が大きな音を出して注意が別のところに行った隙に物を盗む。というような手段で盗まれることすらあります。
スマホを盗まれないための対策法
一番の対策としては、スマホを使う時に手や目を離さないことです。

そしてテーブルの上に置いたりするのは避けてください。
スマホを見るのは使う時だけ、取り出したらすぐしまうようにします。
地図アプリなどを使う時に、歩きスマホをする人もいるかもですが、バイクで近づいて来た人に後ろからスマホを引ったくられるという事件もあります。
スマホを使うのは歩道側。後ろからバイクが近く音がしたら、スマホはカバンにしまったほうがいいですよ!
悪徳トゥクトゥクに気をつけて
もう一つ日本人がシェムリアップでトラブルに巻き込まれやすい相手といえば、トゥクトゥクがらみ。
トゥクトゥクと言うのはバイクの後ろに荷台を取り付けたような乗り物で、タイやラオスなど東南アジアの国では移動手段として結構メジャー。
シェムリアップは街中で使える移動手段が少ないので、ツアー旅行でアンコールワットに来た人を除けば一回はお世話になるかと思います。
ただこのトゥクトゥク。結構タチの悪い相手が混じっていることが多いんです。
トゥクトゥクに突然追加料金を請求された
あるフランス女性は、カンボジア人ドライバーとアンコールワットの各施設を1日30ドルで回ってもらうという約束をしました。午前中こそ問題はなかったのですが、トラブルが起きたのはお昼を食べてから、彼女に奢らせたお昼でお腹いっぱいになったドライバーは突如として
[voice icon=”https://www.tabigurashi.com/wp-content/uploads/2017/08/fisherman-1721442_1280.jpg” name=”悪徳ドライバー” type=”l”]お腹がいっぱいで眠くなった、俺は家に帰る[/voice]
と言い出したのだそうです。当然彼女は約束が違うと起こりましたが、ドライバーのほうは平然。それでも旅行を続けたいなら追加料金を支払えと迫ってきたそうです。
日本人の感覚からは信じられないことですが、トゥクトゥクドライバーは約束をしても、その時の都合や気持ちですぐに約束を破ります。しんどいから帰る、用事があるから帰る、めんどくさくなったから帰ると平気で言い出し、さらに最初にした約束を守らせたいなら追加料金を払えと要求してくるんですね。
シェムリアップのトゥクトゥクで多いのが、この突然追加料金を請求されるというトラブル。
この彼女の場合は、気も体も大きい人でしたから激しく口論して、最終的に最初の条件で案内を続けさせたということですが、自力で帰れないような郊外に連れて行かれて同じことをされたら…「ちょっと無理かも」と思う人、多いですよね。
実際、シェムリアップに行き郊外の遺跡に行くのにトゥクトゥクを使ったいう日本人の女の子は、郊外で突然トゥクトゥクを止められ
「パンクしたから、帰るなら追加で5ドルね」
と請求されたそう。
このケースでは追加でお金を払うことで解決したのでまだいいですが、どこか逃げられないところに連れられ襲われたり、金品を奪われる恐れだってあります。
日本ではタクシーは安全な乗り物というイメージが強いですが、相手に自分がどこに行くか任せるというのはリスクの高い行為でもあるんですよ!
悪徳トゥクトゥクに会わないためには
運転しながら流しで声をかけてくるドライバー、道で客待ちしているドライバーには悪いのも混じっています。
そのためトゥクトゥクがらみでトラブルに会わない一番の方法は、紹介によってトゥクトゥクドライバーを呼んでもらうことでしょう。
ある程度のホテルや、ホステルなどでは誠実なドライバーや、知り合いのドライバーなどの連絡先を控えている場合もあります。紹介で呼んだトゥクトゥクでトラブルがあれば、信用問題になるのでまともなドライバーを呼んでくれることも多いです。
ただ最初に行ったホテルと同じで、安い宿、雰囲気の悪い宿などでは職員が悪い人間とつるんでいることもあるので、注意が必要。シェムリアップには結構日本人宿があったりするので、その辺りを訪ねて聞いて見るのもアリ。
また一人旅の場合、犯罪に巻き込まれるリスクは高くなるので、郊外に出る場合にトゥクトゥクを使うなら複数人でシェアするのも検討してもいいかも知れません。
怪しい勧誘に乗り金品を奪われる
シェムリアップにはパブストリートと呼ばれる通りもあり、夜の街も結構賑やか。大音量で音楽をガンガン流すクラブや、ゲテモノ屋台なんかもあったりして、結構楽しく過ごせます。

ただそういう街につきものなのが、裏の顔。夜に道をあるけば
[voice icon=”https://www.tabigurashi.com/wp-content/uploads/2017/08/fisherman-1721442_1280.jpg” name=”トゥクトゥクドライバー” type=”l”]にいちゃんハッパあるよハッパ![/voice]
と声をかけられたり
[voice icon=”https://www.tabigurashi.com/wp-content/uploads/2017/08/girl-1741948_1280.jpg” name=”セクシーなお姉さん” type=”r”]あら、お兄さん。気持ちのいいマッサージはいかが?[/voice]
と誘惑されたりします。
怪しい誘いは避けるべき
せっかくの旅行、気が大きくなっていることもあって、ちょっと冒険してみようかな?なんて思う人もいるかも知れませんが、彼らの中には、そうした誘惑に乗ってきた人を半ば監禁めいた感じで閉じ込めて金品を奪おうとする人もいるんだとか。
彼らがカタコトの日本語で勧誘してくることも多いということを考えても、結構乗る人は多いんでしょう。大学生の人など、ちょっとした冒険のつもりかもしれないですが、それが大ダメージに変わる可能性も本当に高いです。自分の身を守るためにもやめたほうがいいです。
最初からこうしたことを目的としてカンボジアに行くような人には「勝手にしてくれ」としか言いようがないですが。自己責任でどうぞ。
違法賭博に巻き込まれる
[voice icon=”hhttps://www.tabigurashi.com/wp-content/uploads/2017/08/woman-981798_1280.jpg” name=”謎のカンボジア人” type=”l”]ハーイ、アナタニホンジンデスカ?オトモダチニナリマセンカ?[/voice]
何日も海外にいて、外国語に囲まれて生きていると、日本語が聞こえてきただけで嬉しくなってしまうことというのはあると思います。
特に現地の人が日本語を喋り、日本語を勉強したいので仲良くしてくださいなんて言われたら…
「海外の友達ができた!!」なんて嬉しくなっちゃうかもしれないですよね。
でもシェムリアップではそうした心理を利用した詐欺、賭博詐欺というのが発生しています。
シェムリアップで発生する賭博詐欺の手口
犯人の手口は巧妙です。犯人はグループで詐欺を働いており、まずは一人旅行中の観光客に声をかけるところから始まります。
あとは歓迎するよ、と家に誘われ、食事に誘われ、友人(犯行グループ)に紹介され…と、なんとなく本当に自分も友人の一人になったと錯覚させてくる。
[voice icon=”hhttps://www.tabigurashi.com/wp-content/uploads/2017/08/woman-981798_1280.jpg” name=”トゥクトゥクドライバー” type=”l”]カケゴト、ヤリマセンカ?[/voice]
と誘われるわけです。ここで「せっかくに友達になったのに断るのは悪いなぁ…」などと思ってしまえば、カモ一直線。
あとは最初は勝たされて気分がよくなったところで大負けさせられたり、カンボジア人の「友人」が大負けして「助けて」と言われるなど方法は様々。
いずれにせよその「友人」も賭場の人間とグルになってお金を巻き上げようとしているんですね。
違法賭博に巻き込まれないためには
海外で現地の人から日本語で話しかけられるのは嬉しくなってしまう気持ちはわかります。
しかし残念ながら観光地で、わざわざ日本語で話しかけてくるような人にはなにかしらの下心がある場合がほとんど。純粋な好意で話しかけてくる人というのは、ほとんどいません。(近くに大学があれば、その学生ということはなくはないですが)。
海外の友人はできると楽しいですよね。でもちょっとでも怪しいな?と感じたら最初から断ることも大切。本当に「友人」なら、それで怒ることなどないはずです。
シェムリアップのその他の危険
その他にもシェリムアップには、安全上気をつけたいことがいくつかあります。
それが地雷と野犬です。
地雷が残る国カンボジア
カンボジアは内戦の影響で、国中に地雷が埋まっています。
撤去は少しずつ進んではいるんですが、それでもまだまだ国中に地雷が埋まっていて、シェムリアップの周辺も例外じゃなかったりします。
2015年にはアンコールワットに観光に訪れていたドイツ人旅行者が、トイレをしようとアンコール遺跡の敷地からわずかに外れたところで地雷を踏み、足を失ったと言います。そのため今では、道を外れたトレッキングルートを通るのは禁止。
地雷踏んだら旅行どころじゃないですよ!
対策:道を外れない、一人でうろつかない
野犬に注意
フランスの研究機関による試算によると、カンボジアで犬に噛まれる人は年間およそ60万人とされています。さらにカンボジアの犬は、狂犬病のワクチンを摂取している犬はほとんどおらず、病気持ちもかなりいるとも言われてるんです。
2007年の調査と少し古いんですが、全世界の狂犬病死者のうち1.3%はカンボジア人だったとされています。これは人口比で言えばめちゃくちゃ高い数字で、インドなどと比較しても、さらに高い狂犬病の発生率です。
狂犬病は人間にも感染する病気。死亡率も極めて高い危険な病気です。
もし感染したとしても後からでもワクチンは効くと言いますが、海外旅行保険などに入っていなければワクチン代だけで7、8万円かかってしまいます。
野犬には近づかない、野良猫などは触らないほうがいいですよ
対策:野犬に近づかない、野良犬を触らない
シェムリアップの治安まとめ
シェムリアップは強盗などはさほど発生ぢていない地域では有りますが、一方で泥棒や詐欺など軽犯罪は多く発生していて、日本人も多く巻き込まれています。
しかしその対策は、荷物を置き去りにしない、目を話さない。怪しい話には乗らないという海外に出たならば基本的とも言える対策です。
持ち物が盗まれた場合でも、警察に連絡し、盗難証明書などを発行してもらうことで盗まれたことの証明ができれば。海外旅行保険やクレジットカード付帯の海外旅行保険の持ち物保証(携行品保証)をつけておけば多少お金が戻ってくることはあります。
しかし全額戻ってくるとは限りませんし、僕のように盗まれたのが現金であれば、結局泣き寝入りということになってしまうかも知れません。
犯罪や事故に合わないためには、とにかく初めからターゲットにならないこと。
楽しく旅をしたいなら、自衛大事ですよ!
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