ベトナムってさ…何語使ってるの?
ベトナムに住んでいたと言うと、よく受けるのがこの質問です。確かに日本ではベトナムの言葉って言ってもあまり馴染みないですよね。
ベトナムにはベトナム語という独自の言語があり、公用語として定められているのも、こちらのベトナム語。
観光地としての人気が高まっているベトナムでは、外国語としてメジャーなのはやはり英語。ただ南部のニッチャンでのロシア語のように特定の地域の人に人気なため、話せる人が多い地域などもあります。また北部ベトナムは中国と国境を接していることもあって、訪れる人も多く中国語を耳にする機会も多いです。
また一部の学校では日本語が第二言語化されたことなどもあって、日本語を喋る人も少しずつですが増えていたりもするのです。
Contents
- 1 ベトナムの公用語ベトナム語
- 2 ベトナムでは何語が通じるの?
- 3 ベトナムで言葉が通じない時の対処法
- 3.1 これだけは覚えておきたい基礎ベトナム語
- 3.1.0.1 xin chào(シンチャオ)=こんにちは
- 3.1.0.2 tạm biệt(タン ビエ)=さようなら
- 3.1.0.3 bữa khác gặp(ボゥア ハップ ガップ)=またね
- 3.1.0.4 Cảm ơn(カム オン)=ありがとう
- 3.1.0.5 không có ji (コン コー ジー)=どういたしまして
- 3.1.0.6 Bao nhiêu tiền(バォ ニュー ティエン)=いくらですか?
- 3.1.0.7 xin lỗi(シン ロイ)=すいません
- 3.1.0.8 〇〇 ơi (オイ)=おーい
- 3.1.0.9 tôi là người Nhật(トイ ラ ンゴォイ ニャット)=私は日本人です。
- 3.1.0.10 tôi tên là 〇〇(トイ テン ラー)=私の名前は〇〇です
- 3.2 Google翻訳などの通訳アプリを活用する
- 3.3 指差し会話帳を活用する
- 3.1 これだけは覚えておきたい基礎ベトナム語
- 4 まとめ
ベトナムの公用語ベトナム語
ベトナムで公用語とされているのは「ベトナム語」という言語です。

ベトナムは実は54もの民族を持つ多民族国家なのですが、ベトナム語はそのうちの一つで全人口の86%を占める「キン」族の言葉である「キン語」のこと指しています。ベトナム語は学校教育や政府期間などでも使われる言語のため、現在では多くの少数民族の人たちにとっても第一言語となっていますが、山岳地帯に住む一部の少数民族の中には、ベトナム語は話せないと言う人がいたりするのですから驚きです。
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ベトナム語の特徴
ベトナム語は日本人にとって、とにかく「相手に理解してもらうまで時間がかかる」言語であると言えます。
と言うのもベトナム語には、音をあげる、音を下げる、音を一度あげて下げるなど、日本では使わない発音の仕方があり、しかもその発音の違いによって単語の意味が異なるからです。
例えば
bạn も bán も bàn と言う三つの単語がありますが、いずれもも音としてはバンです。しかしaの音を止めたり、上げたり、下げたりするという発音の違いで
bạn(あなた) bán(売る) bàn(机) のように意味まで変化してしまいます。
つまり バンバンバン で あなたはテーブルを売る と言う意味になってしまいます。もう難しすぎてわけわかりませんよね。
実際に現地でベトナム語を話してみて、間違いを私的されても、どこが間違っているのかがわからないなんてこともしばしば。ベトナム語の発音難しいですね。
ベトナムの文字
ベトナムで使われているのはクオックグー(Quoc Ngu)という表記方法。
上の bạn や bán を見ればわかってもらえるように、アルファベットをベースに、上げる下げるなどの発音を示す記号が付いているのが特徴です。
ベースがアルファベットなのでなんとなくローマ字読みすれば、読めるような気がするのですが、実際は発音が重要なので読んでも通じないことの方が多いです。
元はベトナムも独自の文字を使っていましたが、中国の支配を受けてからは漢字を使用するようになりました。その後フランスによる植民地化が始まって以降は、フランス人宣教師によって発明されたクオックグー(Quoc Ngu)が広く使われるようになったわけなんですね。
ベトナム語と中国語
さてクオックグー(Quoc Ngu)の普及と、反中感情もあってベトナムでは漢字は使われたくなったのですが、それでも旧中国圏ということもあってか、一部の中国由来の言葉や日本に似た言葉があったりします。
例えば連絡はliên lạc(リエンラック)と言ったり、相手に呼びかけるときOi(おい)と呼びかけたり。なんとも妙に似ている言葉があったりして驚きです。

ベトナム語の方言
ベトナムにも日本語と同じく地域によって方言があります。大雑把に分けるとアクセントが強く力強いハノイなどの北部訛り、単語ごとのイントネーションの差が激しく「ダンスをしているみたい」と表現される中部(ダナンなど)訛り、そして他の地域に比べてフラットで柔らかい南部訛りとに別れています。さらに都市によって特別な訛りというのもあり、かつての首都フエなどにもフエ訛りというのがあったりします。
ベトナムの標準語は
首都がハノイと言うこともあって、標準語とされているのは北部訛りのようです。テレビなどで北部訛りを聞く機会も多いようです。ただ北部の訛りは力強いイメージで、南部訛りが柔らかいイメージのためか南部の訛りを真似する北部の人というのもいたりするようです。
ベトナムでは何語が通じるの?
ではベトナムに旅行に行った場合、現地では何語が通じるのでしょうか。
ベトナムは良い気候に美味しい食べ物。そして物価の安さもあいまって、欧米などを中心に旅行者を増やしている国。
国別の旅行者数で言うと、国境を接している中国がもっとも多く、対ベトナム投資額1位の韓国が2位。日本は三番手につけています。これにアメリカなど英語圏の国やヨーロッパの国が続くのです。
そのためベトナムで話される外国語としては、英語がもっとも数が多く、その次に中国語。近年第二言語化した日本語を学ぶ人のほか、韓国ドラマの影響で韓国語を習っている人にもよく出会います。
ベトナムで英語は通じる?

このようにベトナムには多くの国から、観光客が訪れることもあり観光に関わるところでは結構英語は通じます。
しかし一般の人の英語レベルは高いとは言えないので、あくまで観光地限定と言う感じ。
ハノイなら旧市街や空港、ホテルなどでは英語は通じることも多いですが、少し中心部を離れると途端に英語も通じなくなります。
詳しくはこちらの記事を参考に[kanren postid=”48″]
ベトナムで日本語は通じる?
実はベトナムでは近年、一部の小学校でも日本語が第二言語になるなど日本語教育熱が高まっています。
理由としてあげられるのは、国別で見れば世界3位であり、年々数を増やしている観光客数や、投資額で見ても世界3位など日本とベトナムの経済的な繋がりが強くなっているから。
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ただ現在のところ、観光客が日本語を使えるのは、日本食レストランや高級ホテルなど一部のホテルのみ。今の所、日本語を使って観光するというのは難しそうです。
ベトナムで言葉が通じない時の対処法
ではベトナムで言葉が通じない時には、どんな対応をすればいいのでしょうか。

1つの方法としては、簡単なベトナム語を覚えて行くこと。もちろん最初に言ったようにベトナム語はイントネーションや発音が大事なため、簡単な単語でも聞き取ってもらえないことはよくあります。
ただベトナムの人は、ベトナム語を少しでも話そうとする人にはすごく優しくしてくれます。ちょっとした単語を知っているだけでも随分助けにはなるはずです。
これだけは覚えておきたい基礎ベトナム語
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xin chào(シンチャオ)=こんにちは
まずは挨拶の基本。ベトナム語で「こんにちは」を表すxin chào(シンチャオ)という言葉。アクセントとしては小さいヤの部分を下げるようにして発音します。
昼でも夜でも、人とあった時はどんな状況でも使える言葉で、友人にも知らない人にも使えます。ただ友達にあまり「こんにちは」と言わないのと同様、親しい間柄では言葉を丁寧にするXIN(シン)という部分を除いて単純にCHAO(チャオ)ということもあります。
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tạm biệt(タン ビエ)=さようなら
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bữa khác gặp(ボゥア ハップ ガップ)=またね
出会いがあれば別れがある。別れの時に使える言葉が上の二つです。ベトナム語でさようならを意味する言葉はtạm biệt(タンビエ)、またねというような意味としてbữa khác gặp(ボゥア ハップ ガップ)という言葉を使うこともあります。
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Cảm ơn(カム オン)=ありがとう
どんな言葉でも、挨拶と並んで覚えておきたい言葉と言えば「ありがとう」という言葉でしょう。ベトナム語でありがとうを意味するのはCảm ơnという言葉。綴りから英語のCome onのようにカモンと読んでしまう人も多いのですが、カム オンと二つの音に分けて発音します。
単純にCẢM ƠNとだけ言うのは、つっけんどんに聞こえることがあるので、レストランなどでお礼を言う時は、年下にはEm(エム)、年上の男性にはAnh(アン)、女性にはchị(チー)などをCẢM ƠNの後につけるとより丁寧な言い方になります。
ただこの記事にも書いたことなのですが、ベトナムでは日本ほど頻繁に「ありがとう」ということはありません。ただ言葉でありがとうというよりは、喜んでいる顔を見せるなど感謝の気持ちを表すことのほうが大事です。無表情に言葉でだけCẢM ƠNと言われるくらいならむしろ言わない方がいいという人もいるほど。
CẢM ƠNという代わりに、にっこり笑ってみる、と言うのもいい手段かも知れません。
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không có ji (コン コー ジー)=どういたしまして
ありがとうとセットになる言葉として、không có jiと言うものがあります。これはベトナム語でどういたしましてに当たる言葉。ありがとうと言われた時に使います。
ただ、ありがとう同様。không có jiだけはつっけんどんに感じるので、Dau em(ダウ エム),Dau Anh(ダウ アン)、Dau Chi(ダウチー)などと言うのがベター。
またありがとうと同様に、それほど言葉で言うことを重視しないのでニッコリ笑うというのも一つの手です。
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Bao nhiêu tiền(バォ ニュー ティエン)=いくらですか?
お店などで値段を聞く時に使うのがこの表現。ベトナムの露天などでは値札が付いていないことなども多く、値段を聞くことで価格交渉が始まります。(ただし最初に提示される値段は向こうが売りたい値段より高いことが多いので注意が必要です)。

Bao nhiêuが英語で言うHow much。どのくらいと言うことを刺す言葉で、tiềnはお金という意味。年齢を指すtuổiという言葉と入れ替えると、Bao nhiêu tuổi(バォ ニュー トゥオイ)=何歳ですか?というような形に変えることもできます。
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xin lỗi(シン ロイ)=すいません
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〇〇 ơi (オイ)=おーい
お店などで、お店の人を呼ぶのに使えるのがこの表現。一般的には相手の年齢ごとに、Em、Anh、Chiなどをつけ
Em ơi(エム オイ)=あ、お姉さん。ちょっと
というような形で呼びかけるのが普通ですが、見知らぬ人に向かって「オイ」と呼びかけるのはちょっと、と言う人はすいませんという意味があるxin lỗiを使ってみてもいいでしょう。
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tôi là người Nhật(トイ ラ ンゴォイ ニャット)=私は日本人です。
旅をしていても、ベトナムでは親日的な人に出会う機会は多いです。ベトナム語で「私は日本人です」という言い方は覚えといて損はないでしょう。
指を刺されてオーダオ?というように聞かれたら「どこ出身?」という意味です。上の表現を使いましょう。
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tôi tên là 〇〇(トイ テン ラー)=私の名前は〇〇です
自己紹介の表現。Toiが私、Tenが名前です。慣れてくるとToiを別の言葉に変える人もいますが、基本形としてはこちらを覚えておけば十分でしょう。
Google翻訳などの通訳アプリを活用する
言葉がわからない時、大きな助けになってくれるのがGoogle翻訳などの通訳アプリ。ベトナムのWifi事情をまとめた記事でも書いたようにベトナムではほとんどのお店にフリーWifiがあるので、それに接続しておけば注文の時などに言葉に不自由することはないでしょう。
ただ移動中にこれらを使用するには、現地のSIMカードを購入するか、レンタルWifiを借りるなどしてデータ通信の手段を確保する必要があります。
指差し会話帳を活用する
もう一つの方法としては旅の指さし会話帳11ベトナム[第二版] のような、相手に見せながら指差して相手に伝えることができる本を用意することです。
書籍版でなくても、Kindleなどの電子書籍版や、アプリ版ならダウンロードして使えるのでネットがなくても安心。不安に思った時のための保険としてスマホに入れておくと、何かと心強い存在になってくれます。
まとめ
ベトナムは独自の言語であるベトナム語を使っている国です。
観光客の増えているベトナムでは観光客向けに、英語や中国語、日本語などの教育を進めていますが、これらの外国語が使えるのは大都市の観光エリアや観光地が主であり、一般の人の外国語能力はそれほど高くありません。
ベトナムのローカルな人と触れ合ってみたい、田舎に行ってみたいという人は、少しでもベトナム語を覚えておく、もしくは覚えようとする努力をすることが重要になってくるのです。