スペイン

カタルーニャはなぜ独立をしたがるの?旅行に与える影響ってどんななの?

2017年スペイン北東部の自治区、カタルーニャ地方で独立するかを問う住民投票が行われ、この地方に住む住人のうち226万人が投票、90%が独立に賛成するという結果がでました。

カタルーニャ側は独立を宣言をするという姿勢を見せている一方で、憲法を盾に認めないと強く主張するスペイン王国側と話し合うことを発表しており、果たして独立するのか、自治州としてスペインに残るのか、はたまた自治州としての権利を失うのではないかと、今も意見は割れているようです。

しかしカタルーニャと言われても、そういう場所なのか?とかあまりピンと来ないかも知れません。今回はどうしてカタルーニャ地方は独立したいのか?旅などにどんな影響を与えそうかを見ていきたいおt思います。

カスターニャ地方はどんなとこ?

カタルーニャはスペイン北東部にある地中海に面した州。人口は750万人とスペインの中でも二番目の規模があります。昔から産業が盛んなこともあって、経済的に見るとスペイン全体のGDPのうち約19%を占めており、首都であるマドリードと並んでいます。

カスターニャというと印象は薄いかも知れませんが、オリンピックがあったこと、そしてあのサクラダファミリアがあるバルセロナはこのカスターニャ地方の州都だったりするんですよね。

画像カタルーニャ地方の地図カタルーニャ地方

位置的にいうとスペインの首都であるマドリードはバルセロナから620キロほど。フランスのマルセイユまでは500キロほどとこちらの方が近いくらい。フランス国境までだと200キロを下回るくらいです。

また同じく国境があるアンドラという小さい国は、カタルーニャ地方の公用語であるカタルーニャ語を公用語と定めていたりして、カタルーニャ地方の人たちがこのスペインより、フランスやアンドラに親近感を持ってたりすると聞くのもわかるような気わかるなぁ。

なぜカタルーニャ地方は独立したがるのか

カタルーニャ地方はなぜ独立したがるんでしょうか。

そもそもカタルーニャ自治区にはかつて独自の伝統や文化、そして言葉まで持つ国であるアラゴン=カタルーニャ王国(もしくはアラゴン王国、アラゴン地中海帝国)がありました。

その上カタルーニャは経済面でも州1つでスペイン全体GDPの20%を占めるほど。

札幌東京と同じ経済規模を持っていて富士山があってアイヌ語が公用語だったら…とかって考えると、国全体の20%を占める経済の強さがあって、独自の言語が公用語サクラダファミリアがある

カタルーニャ地方にあった王国とは

カタルーニャ地方にはもともと独立した国がありました。

今のカタルーニャ地方のベースとなるアラゴン=カタルーニャ連合王国ができたのは12世紀。バルセロナ伯だったラモン・バランゲー4世が、1歳のアラゴン王国女王ペトロニアと婚約することから始まります。当然ですけど1歳の赤ん坊に国は収められませんから、夫であるラモンが政治を代行するわけです。

二人の息子が跡をすぐと完全に一つになったアラゴン=カタルーニャ連合王国は、地中海に面しているという特性を生かした経済の強さもあって、地中海全域に領土を広げます。その強さと言えば一時はイタリアまでも支配に収めたほどになっていくのです。

力を失うカタルーニャ。スペインの一部へ

しかし、残念ながらいつまでも強いままではいられません。

15世紀ごろになると、トルコのオスマン朝が強くなったこともあって地中海を失ったカタルーニャは、スペインにも破れ、スペイン連合国の一部として組み込まれてしまいます。

当時はそれでも独立した権利を持つ王国だったんですが、スペイン国王の座を争うスペイン継承戦争などを経て、完全にスペインになると、カタルーニャの人々には厳しい時代が続きます。

特に、独裁者フランシスコ・フランコの時代にはカタルーニャが起こした独立運動に対しても徹底的な弾圧がされることになり、その支配は1975年まで続きました。

しかしこうした厳しい日常や、弾圧が行われても、カタルーニャが独自の文化や言語を失うことはなく、いまでも独自の文化や伝統、言語などを持ち続けているんです。

[aside]【補足】カタルーニャ語ってどんな言葉

カタルーニャ語と言われても馴染みのある人が少ないと思うので、Youtubeの動画を紹介しておきましょう。

こちらの動画ではアメリカ人の父とアルゼンチン人の母を持ち、カタルーニャ地方に住んでいたというアニータさんがカタルーニャ語を話しています。

簡単に言えば、スペイン語や英語ほど多くの人が喋れるわけではないカタルーニャ語が喋れるのは誇りだし、喋れる人に会うと嬉しくなる、という内容。

彼女の言葉通り、カタルーニャ語は全体で1千万人ほどしか話す人がいない言語です。公用語にしているのはカタルーニャとアンドラの二つだけです。

カタルーニャ語はかつてのアラゴン=カタルーニャ王国の成り立ちも影響してか、スペイン語よりはイタリア語やフランス語に近いようです。

ただスペイン語もフランス語も、どちらもラテン語系の言葉。実際ラテン語系の言葉は、一つ話せると6割くらいは意味が掴めるなんて言われます。実際カタルーニャ語もスペイン語の知識で多少はわかるので、お互いが意思の疎通ができないというわけではなさそうです。

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カタルーニャが独立したら経済への影響は?

気になるのはカタルーニャが独立したらどうなるのか?ということです。

カタルーニャ地方は産業革命の時代から、スペインの生産業の中心地として存在感を見せてきました。

フランスの経済開発機構の公表によれば、経済規模で考えるとカタルーニャが独立すれば単体でポルトガルを上回るほどの経済規模になり、一人頭GDPで考えると韓国やイタリアを上回る経済規模になるのだとか。

カタルーニャ独立は観光に影響が出るの?

旅するものとして気になるのは、カタルーニャの独立によってスペインに行くことに影響が出るのだろうかということかも知れません。

国に入れるか、ビザがどうなるかという点に関しては正直まだはっきりしたことは言えません

ただポルトガルやアイルランド、フィンランドをも上回る経済規模であるならEUに入ろうと思えば入れるんでしょうし、日本人はヨーロッパの多くの国同様ビザなしで入国できることになるんでしょう。

たとえEUに入らなかったとしてもヨーロッパの多くの小国が90日までのビザなし滞在を日本人にも認めていることを考えれば、独立カタルーニャが日本人にビザなしの権利を与えてくれる可能性はたかそうに思えます。

バルセロナでワーホリはできなくなる?

ただ今年の4月から開始されたスペインへのワーホリを考えていた人で、サクラダファミリアの近くで働きたい!みたいなことを考えていた人は、今後独立となればしばらくは働くなくなるかも知れません。このあたりは注意が必要かも。

まとめ

カタルーニャの今後がどうなるかはまだ不透明です。

カタルーニャの首相も独立する権利を得たとしながらも、中央政府と話し合うとしておりこれからの同行に注意を払う必要があります。

ただいずれにせよ、独立してできあがる国は経済的にも規模が小さくなく、最初に多少の混乱はあるにせよ、観光ビザは薄給されることになりそうな感じはあります。

ただバルセロナと言えば2017年の8月に自動車でのテロが発生した場所、歴史歴、地理的な問題もあってイスラム国によるテロの対象に今後もなるかどうかは不透明なところです。

独立したとしてテロ対策、防衛の意味でどんな効果をもたらすのか、それはまだまだわからないところは多そうです。